ポートレート撮影の際、ライティングや肌質の関係で、おでこや鼻、頬のあたりに“テカリ”が強く出てしまうことはありませんか?
モデルさんの魅力を引き出すはずの光が、逆に「脂っぽい印象」や「肌荒れっぽさ」を強調してしまうこともあります。
特に、ハイライト部分が飛んでしまうと全体のバランスも崩れ、安っぽく見える原因にもなってしまい今回は、Photoshopで肌のテカリを自然に消す・軽減する方法をわかりやすく解説します。撮影でテカってしまったおでこや頬の光を、レタッチで自然に補正する簡単な手順を紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、日々のレタッチに取り入れてみてください!
背景画像のレイヤーを複製します。
次にブラシツールを選択し、ブラシの描画モードを「比較(暗)」に設定してください。
通常、描画モードは「通常」に設定されていますが、ブラシにはさまざまな合成モードがあり、それぞれ異なる効果を持っています。
今回使用する「比較(暗)」モードは、サンプリングしたカラーや明るさを基に、指定した箇所を自然に暗くなじませることができる便利なモードです。
肌のテカリが気になる箇所の近くにある、均一な質感の肌部分を[Optionキー(Mac)/Altキー(Windows)]を押しながらクリックしてサンプリングします。
そのままブラシで丁寧に塗っていきましょう。このとき、塗る位置に応じてサンプリングする場所をこまめに変えながら、自然なグラデーションになるよう意識するのがポイントです。肌の質感は一時的に失われてしまいますが、この段階では「色味の統一」に集中して、気になるテカリ部分をすべて塗りつぶしてしまって構いません。
次に、テカリを塗りつぶしたことで肌本来の自然な光沢まで失われてしまうと、立体感がなくなり、平面的で“ベタッとした”印象になってしまいます。
そのため、ここからは光沢感を適度に戻す調整を行っていきます。
まず、背景画像を再度コピーし、それを最前面(レイヤーの一番上)に移動させます。
この時点でのレイヤー構成は以下のようになります
次に、一番上の背景コピーの[不透明度]を調整し、光沢を“ほんのり”戻すことで、自然な立体感を演出します。
今回は、**不透明度39%**に設定することで、バランスの良い仕上がりになりました。
調整後は背景以外のレイヤーは統合してしまいましょう。
ステップ4の調整具合によっては、質感が消えすぎてしまい、気になる箇所が出てくる場合がありますので、ここで最終調整を行います。まず、先ほどと同様に背景画像をコピーし、それをレイヤーの一番上に配置します。次に、このレイヤーの描画モードを「リニアライト」に設定し、[フィルター]→[その他]→[ハイパス]を実行します。今回は数値を1.0に設定しました。ハイパス処理を行ったこのレイヤーに対して、レイヤーマスクを追加し(初期状態は黒)、質感を復元したい部分をブラシツール(通常・白)でなぞっていきます。これにより、選択した箇所にのみシャープな質感が加わり、仕上がりがより自然になります。※ハイパスの詳しい解説については、こちらのブログをご参照ください:https://one-standcross.com/blog/photoshop-how-to-retouch/
最後に、編集したレイヤーを統合し、他に気になる箇所があればスタンプツールや削除ツールなどを使って微調整すれば完成です。ステップ3の作業は少し難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、Photoshopには無数のツールと手法がありますので、今回ご紹介した方法もそのひとつとして参考にしていただければ幸いです。